情報・システム研究機構シンポジウム2019 [宇宙と地球、生命の謎を解き明かし、人間、社会の課題に挑むデータサイエンス、2020年2月7日(金)、筑波大学東京キャンパス文京校舎 、主催:情報・システム研究機構]

新着情報

2019.12.27
情報・システム研究機構シンポジウム2019 ホームページを開設いたしました

概 要

138億年前、ビッグバンに始まったという宇宙。その後誕生した素粒子から、原子、そして分子が作られ、星々が生まれ、地球では海と陸地で生命が育まれ、人間社会が誕生しました。情報・システム研究機構は、21世紀最大の課題「地球・生命・人間・社会」に関する問題を、データサイエンスによって解決しようとする日本有数の研究組織です。それぞれの分野で最先端の研究を進めるだけでなく、大学共同利用機関法人として、国内外の大学や研究機関、企業に、集めたデータや施設を利用してもらうことで、研究の推進や新たな研究分野の誕生に貢献しています。

今回のシンポジウムでは、同じ大学共同利用機関法人である高エネルギー加速器研究機構とともに、宇宙と地球、生命の謎を解き明かし、人間、社会の課題に挑む研究の最前線をご紹介しながら、データサイエンスの時代の学術研究の未来と革新的な可能性を皆さまにお示ししたいと思います。

プログラム

15:00-19:00 展示 会場:筑波大学東京キャンパス文京校舎 講義室122

16:00-19:30 講演 会場:筑波大学東京キャンパス文京校舎 講義室134

16:00-16:05 来賓挨拶

16:05-16:20 情報・システム研究機構の紹介

顔写真

藤井 良一
(情報・システム研究機構 機構長)

16:20-16:35 高エネルギー加速器研究機構の紹介

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山内 正則
(高エネルギー加速器研究機構 機構長)

16:35-17:05 招待講演
データ主導の自然言語処理の意義と限界

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宮尾 祐介氏
(東京大学 情報理工学系研究科 コンピュータ科学専攻 教授)

人間のことば(自然言語)のしくみを明らかにする研究は古くから行われてきましたが、近年、大規模テキストデータと機械学習技術を利用することにより、新たな展開を見せています。最近の研究成果は、機械翻訳、スマートスピーカ、チャットボットなど、身近なアプリケーションでも目にする機会が多くなってきました。文章読解や質問応答などの研究では、人間を超える精度が報告されています。一方で、人間のように自然言語を自由にあやつるコンピュータシステムはいまだ実現されていません。このギャップに何があるのか、データ主導の自然言語処理のこれまでの成果と限界を通してお話しいたします。

~第1部~
宇宙と地球、生命のシステムを解き明かすデータサイエンス

17:05-17:25
素粒子実験で宇宙の歴史を紐解く
~Belle II 実験の挑戦~

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谷口 七重
(高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所 助教)

「世界は何からできているのか?」という疑問に答えようとする努力は大昔から続けられてきました。素粒子物理学では、自然現象や実験によってもたらされる発見から、自然を記述するモデルを構築し、普遍的な法則を導き出すことで、この問いに答えようとしています。Belle II 実験は、SuperKEKB加速器がもたらす大量の電子・陽電子の衝突反応から、得られるビッグデータを解析して、まだ観測されていない素粒子反応を見つけ出し、新しい発見に挑戦する高エネルギー実験最前線のプロジェクトの一つです。本講演では、Belle II 実験が目指す物理研究と、国際共同実験の現場について紹介します。

17:25-17:45
超高層大気が教えてくれる現在の地球環境システム
〜EISCATレーダーと多点光学観測〜

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小川 泰信
(情報・システム研究機構 国立極地研究所 /
データサイエンス共同利用基盤施設 准教授)

地球大気の最上部である超高層大気は、高さがおよそ80 kmから1000 kmの領域のことを表します。この高さの大気は地表に比べて非常に希薄ですが、太陽から地球大気までの結び付きを一つのシステムとして理解する上で、重要な役割を担っています。特に極域の超高層大気は、太陽風のエネルギーが集中して流入する領域であり、そこではオーロラに代表されるような激しく変動する現象が発生します。そのエネルギー流入の仕組みや大気応答の様子を理解するために、欧州非干渉散乱(EISCAT)レーダーによる超高層大気観測や、多地点でのオーロラ光学観測を国際共同で推進してきています。さらに2022年には最新型レーダー(EISCAT_3D)の運用を開始し、ビッグデータを活用した超高層大気の立体観測を実施する予定です。本講演では、超高層大気に関する最新の研究内容や今後の観測研究の展開を紹介し、超高層大気の観測研究が地球環境システムの理解にどのように貢献するかをお話しします。

17:45-18:05
3キロメートルのタイムマシーンで過去の地球環境を探る
〜南極と北極の氷から見た過去の地球環境変動〜

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東 久美子
(情報・システム研究機構 国立極地研究所 教授)

南極や北極の内陸部は3キロメートルを超える厚い氷で覆われています。このような場所は気温が低いので、夏でも雪が融けません。このため、新しく降る雪は古い雪の上に積み重なっていきます。雪は徐々に深いところに沈み、やがて氷に変わりますが、その過程で空気が氷の中に取り込まれます。このように、南極や北極の氷には過去から現在に至るまでの雪と大気が冷凍保存されているのです。南極や北極でボーリングを行って氷を掘ると、太古から現在までの雪と大気を取り出すことができます。これを分析することで、過去の気候・環境を知ることができます。南極と北極のグリーンランドで掘った氷から復元した、過去数十万年間の気候・環境変動について紹介し、氷期・間氷期の大きな気候変動や、氷期に繰り返し起こった急激な気候変動などについてお話しします。

18:05-18:25
蛋白質の構造データから迫る生命の不思議

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千田 俊哉
(高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所 教授)

高エネルギー加速器研究機構では、放射光を利用した結晶構造解析により、タンパク質の立体構造を原子分解能で明らかにする研究を推進してきました。最近では、以前と比べると信じられないような速さでタンパク質の立体構造を知ることができるようになっています。また、低温電子顕微鏡の大幅な進歩で、電子顕微鏡でもタンパク質の立体構造を明らかにすることもできるようになりました。当機構にも低温電子顕微鏡が導入され、これを利用した研究が進んでいます。その結果、多くのタンパク質の立体構造情報が利用可能になり、研究の方向性も分子だけの研究から、分子と分子の関わりの研究、そして分子社会(=細胞)と分子の関わりの研究へと大きく発展しています。本講演では、タンパク質の原子分解能の立体構造がどのように生物学に生かされ、新しい研究分野を切り開くのに利用されているのかを紹介します。

18:25-18:45
生命科学研究を支える日本DNAデータバンク
~ゲノムデータがここまで社会に浸透した理由~

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有田 正規
(情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所 教授)

遺伝子診断から生態系の分析まで、DNA情報解析は様々なかたちで社会に浸透しています。世界中の科学者が見出したDNA配列情報は、誰でも、無償でダウンロードし(商業)利用できます。お金をかけて取得したデータを全て無償公開する例は生命科学や衛星写真ぐらいです。研究者にもデータを独り占めしたい人は多いはずですが、この無償公開の習慣を根付かせたのは、二重らせんを発見したあのジェームズ・ワトソンです。ヒトゲノムは人類共通の財産だとして公開を義務付けました。無償公開の仕組みがどのように成立し、それが今の生命科学研究に如何に貢献してきたかを、最近のパーソナルゲノム研究まで含めて紹介したいと思います。

~第2部~
ビッグデータのサイエンスを支えるデータサイエンス

18:45-19:05
宇宙の理解にデータ科学を
~電波干渉計による超巨大質量ブラックホールシャドウの撮像~

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池田 思朗
(情報・システム研究機構 統計数理研究所 教授)

2019年4月に世界6か所で記者会見が開かれ、電波天文学の国際プロジェクトEvent Horizon Telescope (EHT)の最初の研究成果が発表されました。そこで示されたのは楕円銀河M87の中心にある超巨大質量ブラックホールシャドウの画像です。この結果から、このブラックホールの質量は太陽のおよそ65億倍と推定されました。穴の直径はおよそ1000億kmという途方もない大きさですが、地球から5500万光年も離れているため、見かけの大きさはとても小さくなります。今回、EHTでは、遠く離れた複数の電波望遠鏡を組み合わせることによって仮想的に最大で1.3万km 以上の口径の望遠鏡を作り、高い解像度を達成しました。複数の望遠鏡を組み合わせる電波干渉法では、撮像のためにイメージングと呼ばれる計算機上の処理が必要です。今回のイメージングでは「スパースモデリング」と呼ばれるデータ科学の方法が使われました。本講演では、どのようにスパースモデリングが使われたかを説明します。

19:05-19:25
ITによる新しい医療支援・医療画像ビッグデータクラウド基盤

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合田 憲人
(情報・システム研究機構 国立情報学研究所 教授)

医療の様々な分野において、画像を用いた診断が行われています。国立情報学研究所では、ネットワークやクラウド、セキュリティー、人工知能(AI)などの最先端情報技術の活用により医療分野の課題解決を推進する「医療ビッグデータ研究センター」を2017年11月に設置しました。 本センターでは、医療画像に関連する6つの医学系学術団体(日本医学放射線学会、日本消化器内視鏡学会、日本病理学会、日本眼科学会、日本超音波医学会、日本皮膚科学会)と連携し、高性能ネットワークを経由した大量の医療画像の収集、データベース化、解析のための共通プラットフォーム(医療画像ビッグデータクラウド基盤)を構築するとともに、医療画像解析技術の開発を進めています。 本講演では、医療画像ビッグデータクラウド基盤とともに、医療画像データ収集の方法や深層学習を用いたAI開発状況、さらにそれらの課題についてご紹介します。

19:25-19:30 質疑応答

参加申込方法

応募締切:2020年25日 (水)

参加申込登録はこちらから

お問い合わせ先

情報・システム研究機構本部広報室

TEL:03-6402-6228
E-mail:roissympo@rois.ac.jp

会場アクセス

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東京都文京区大塚3-29-1 筑波大学東京キャンパス文京校舎 講義室

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丸ノ内線茗荷谷(みょうがだに)駅下車「出口1」徒歩5分程度

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