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機構長の挨拶

ごあいさつ

藤井 良一
大学共同利用機関法人
情報・システム研究機構
機構長 藤井 良一

今、私達は変革の時代をまさに目の当たりにしています。情報通信技術の急速かつ飛躍的な発展、多種多様なビッグデータの出現、そして計算性能の急激な向上は、社会を変容させ、また研究環境を大きく変化させています。このような現代社会における科学が「データ駆動型」となることは時代の必然であり、第4の科学ともいわれる「データサイエンス」の推進こそが、科学技術イノベーションを牽引するといっても過言ではありません。

このような背景から、情報とシステムの観点から新たな研究領域を切り拓き、現代の諸問題の解決を目指す当機構は、今まさに研究コミュニティにおいて中核的な役割が求められております。大学共同利用機関としての使命、社会のニーズへの貢献を存立の基盤として強く自覚しつつ、全力でその責務を果たさなければなりません。そのためには、社会や大学等に役立つデータの整備・統合、ビッグデータから意味ある知識を獲得する方法の革新、散在する大量のデータをリアルタイムに制御するデータ処理技術、膨大な高次元データや計算結果を人間が把握可能にするデータ可視化など、多くの研究開発を今後さらに発展させることが必須となります。

これらを推進するには、まず国立極地研究所、国立情報学研究所、統計数理研究所、国立遺伝学研究所という機構の4つの研究所が、極域科学、情報学、統計数理、遺伝学というそれぞれの分野の学理における世界最先端の研究拠点であることが求められます。それなしに大学の機能強化や社会への十分な貢献はあり得ません。これら研究所が核となって、それぞれの研究コミュニティとのデータ共同利用や共同研究を推進し、大学等における研究力強化に貢献するかたわら、機構はこれを全力で支援します。そして、大学や機関の垣根を越える研究者交流プログラムやクロスアポイントメント制度等の活用と併せて、分野の枠組みを越える融合研究や新学術領域の創成を促進し、研究者が循環する、ダイナミックで豊かな研究環境を実現することにより、大学・研究機関と機構双方の機能強化を目指します。またこのような中で大学共同利用機関のもう一つの重要な使命である大学院教育を実践し、総合研究大学院大学の基盤機関としてデータサイエンス時代にふさわしい人材を育成してまいります。

法人第3期を迎えた平成28年度には、機構の本部機能と4研究所との連携を強化する戦略企画本部と、データ共有・統合・解析手法の開発を担うフラッグシップ・プラットフォームであるデータサイエンス共同利用基盤施設を設置しました。これらを有機的に機能させることによってオープンサイエンスを加速し、基盤学理の発展を基に、課題解決型の科学や、超スマート社会への貢献といった社会の要請に応えていきたいと考えております。よりよい時代へ向けて、情報・システム研究機構の挑戦に、皆様のご支援とご鞭撻をお願い申し上げます。


大学共同利用機関法人情報・システム研究機構
機構長 藤井良一
平成29年4月